日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年8月26日デキる部下が行う上手な報告の仕方とは?


★報告が苦手、という人は意外に多い


日本話し方センターのベーシックコースの受講生と話していると、上司への報告が苦手だという人が意外に多いことに気付きます。
「要は何が言いたいの?」「えっ、それ、いつの話?」など、ダメ出しのされ方は様々ですが、皆さん、報告したいことがうまく伝わらないことに大きなストレスを感じています。


また、報告する際に「またダメ出しされる」と思うと緊張してしまい、その緊張が更に上手く伝えることを邪魔してしまう。この悪循環でいつまで経ってもきちんと報告できるようならない、という人も少なくありません。


そこで、今回は上司への報告を上手に行うポイントについて解説します。




★報告が上手くできない原因


まず、報告がうまくできない原因について考えてみましょう。私は原因は主に3つあると思っています。


 
◎何を話すか考えていない

1つ目の原因は、「事前に何を話すか考えていない」ということです。


報告が苦手という人の話を聞いていると、ほぼ例外なく、何を話すか頭の中でまとめずに話し始めています。
苦手なことなので、できるだけそのことを考える時間は短くしたい、早く済ませてしまいたい、という気持ちになるのはよくわかります。
そのため、事前に話すことを考えることも省略していきなり話し始めてしまうのでしょう。


しかし、どんなことでも事前の準備は必要です。慣れていて得意なことでも事前に準備をしておかないと、自分が納得できる成果は得られません。
ましてや不得意なことであれば、事前に何を話すか、しっかり考えておかねないと、上手く話せるはずがありません。


事前にどのように整理するかは後述しますが、これを行うことで格段に上司に理解してもらえる報告ができるようになります。


 
◎話す順序を考えていない

2つ目は、「話す順序を考えていない」ことです。
これも「何を話すか」と同様に、事前に考えておくべきことです。


「何を話すか」を整理しておくことで、相手に理解してもらえる準備はできています。
しかし、話す順序を間違えてしまうと、上司から「だから何が言いたいの?」とか「もっと要領よく報告してよ」などと言われてしまいます。


結果、何とか話は理解してもらえたとしても、上司にはストレスが残り、あなたの評価も上がりません。


相手がストレスなく話を聞けることで初めて「君の話はわかりやすいね」という評価が得られるのです。
ぜひ事前に話す順序も意識しましょう。




◎話すことしか意識していない

そして3つ目の原因は、「上手く話すことしか意識していない」ことです。


上手く話したい、という思いから、報告している時に話すことだけに意識が向くことはよくあることです。
しかし、せっかく話す内容や話す順序を準備したとしても、実際に話す際に一方的にまくし立てたのでは、聞き手は疲れてしまいますし、話をスムーズに理解できません。


話すことだけでなく、話がきちんと相手に伝わっているか、理解されているか、を確認することも必要なのです。




★改善のポイント


さて、それでは上手に報告するためにはどうすればいいのでしょうか。主なポイントを3つ解説します。


 
◎事前に話すことをまとめる

1つ目は、「事前に話すことをまとめる」ことです。


上の原因でも述べたように、報告が上手くできない最大の原因は、事前に話すことをまとめていないからです。
事前に話すことを整理しておけば、多少話し方が上手くなくても必要なことは伝えられるでしょう。


この事前の整理のためには、PREP法でまとめることをお勧めします。


PREP法とは、
・結論(Point)
・理由(Reason)
・具体例(Example)
・結論(Point)
の順番で展開される文章構成のことです。


この方法で話をまとめると格段に聞き手に理解してもらいやすい話になります。以下に例を示します。


・A社は我が社の提案をほぼ採用してくれそうです。【結論(Point)】
・A社の小西部長がかなり気に入ってくれています。【理由(Reason)】
・今日の訪問時に、小西部長から次のようなコメントがありました。
「提案がA社のプロモーション方針にマッチしている」「次回の役員会に提示するが、ほぼ問題なく通るだろう」【具体例(Example)】
・なので、A社は我が社の提案を採用してくれそうです。【結論(Point)】


このように説明に必要なことを、PREP法で個条書きで整理するのです。


慣れない間は、是非紙に書いて整理することをお勧めします。
書くことによって頭の中がよりスッキリと整理されるからです。


慣れてくると、頭の中だけで整理することができてきますので、それまでは手間を惜しまずに是非紙に書きましょう。


また、上の例はシンプルなものですが、実際には「結論」を納得してもらうのに「理由」と「具体例」が1つだけではなく、2つ以上述べねばならない場合もあります。
報告をする人が納得できる材料を揃えて整理しておきましょう。




◎結論を先に言う

ポイントの2つ目は、「結論を先に言う」ことです。


「結論を先に言う」
多くの人が今までに何度も耳にしたことがあると思います。


しかし、実際のビジネスシーンを観察してみると、ほとんど実行されていないことがわかります。
ことの経緯などを時系列で話し始めることが驚くほど多いのです。


従って、先に述べたPREP法で事前に整理しても、意識していないと「理由」や「具体例」から先に話し出すことになってしまいます。
そうすると、上司はイライラしてしまい、「だから結論はどうなの?」と言われてしまい、せっかく準備した話もうまく伝わらないことになってしまいます。


それでは勿体ないので、是非結論から先に話すことを意識してください。
そして、結論を話した後は、PREP法の順番通りに、「理由」と「具体例」を話すと良いでしょう。


ところで、話す際には上司が分かっていることをわざわざ話すことは避けるべきです。
上司はその話を聞いている時間を無駄と感じて、やはりイライラしてしまいます。


例えば、以前に報告したので上司は「小西部長が我が社の提案を気に入っている」ことを十分に認識しているなら、「理由」は省略して「具体例」を話すべきです。


上司への報告は、ともすればすべてを漏れなく話さねばという意識になって、つい余分なことも話してしまいがちなので、注意が必要です。




◎相手の反応を見る

そして3つ目は、「相手の反応を見る」ということです。


原因のところで述べたように、報告する際は話すことに一所懸命になってしまい、相手がどんな表情をしているのか見ていないことがあります。


どんなに事前に準備しても、上司がこちらの考え通りに理解してもらえるとは限りません。
上司の表情を見ながら報告し、上を見て考えるようなフリをしたり、顔をしかめたりしたら、「ここまで宜しいですか?」などと言って、話を理解してもらっているか確認しましょう。


そのためには、1つの報告事項について2分程度で話せるようにしておくとベストです。
2分で1つのことを話し、上司に伝わっているか確認した後に、次のことを2分で話す。
こうすれば、上司はあなたの報告をスムーズに聞くことができるでしょう。



 

ベーシックコースで話すトレーニングを積んでみませんか?


今回は上司への上手な報告の仕方についてお話しました。


話す場面は、上司への報告以外にも、朝礼でのスピーチ、会議での発言など様々ですが、聞き手に理解してもらえる話し方の基本はすべて同じです。


日本話し方センターのベーシックコースでは、教室の前に立って2分間のスピーチを行うというトレーニングを通じて、話し方の基本を身につけていただいています。
その効果は多くの受講生が実感しています。


ぜひ受講者の声をご覧の上、受講をご検討ください!


 

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